2001年度衣笠クラギタ裏批評
さてさて、ついコンサート終了後アンケートを出すのを忘れてしまったのもあり、ここで技術的な裏批評を書かせていただきたいと思います。まずはボサアン。上田(妹)殿はかなり緊張していたようですが、F技殿もサポートもうまく頑張って弾けていたと思います。が、アンサンブル全体としてはもう一つ力が足りない。ボサは基本的に「けだるい」ようなイメージはありますが、それと「音に芯がない」ことは違います。去年のラテンも端で見てて思ったことですが、テンポは合わせてはいるものの曲の持つリズムが伝わってこない。ラテンやボサはグルーブ感がとても大事な音楽です。もっとリズムを体で感じて体で表現できれば聴いてる方も演ってる方ももっと気持ちよくなれるのでは、と思いました。 ポピアンは基本的に上記の要件は満たされていてとても気持ちよく聴くことができたのですが、ちょいと気になったのがコード隊。現職C技殿を始めとするCメンバーがコードをやっていましたが、あまりに不器用にコードを刻んでいたのでちょっとビックリしました。普通に純クラシックやってる分には確かにコードカッティングってあまり出てきませんが、コードはC、F、フォーク、エレキあるいはジャズ他ジャンルを問わずギターの基本的な技術です。もっとしっかり修得していてもいいのになぁとか思ってしまいました。まぁこの点は私もあまり後輩には伝えられなかったところなのですが・・・。Cでもラスゲアードやセコ、あるいは普通にジャカジャカ鳴らすコードカッティングは決して特殊技法なんかじゃありません。普通に出てくる普通の技術です。私も1、2回の頃はFメンバーがやる机や膝の上に手を置いて指を一本一本独立させて弾いていくラスゲアードの基礎練を授業中なんかに(←オイ!)よくやったものです。本当のFメンバーみたいにコンパスがどうとかは気にしなくてもいいので、形だけでも『ルンバ』とかそれくらいのコードパターンには対応できるような練習も必要なのではないでしょうか。 Fステージ、詳細はFメンバーに譲りますが、とりあえず感じたのはパワー不足。指はよく動いているのに音が小さい。単純にそれだけで客席に伝わる説得力というのは大きく失われてしまいます。それが一番気になりました。皆指が動く動かないのレベルでは俺なんかよりずっといいレベルまでいってるのに、あれじゃ下手すると何弾いてるのかすらわからない。それがちょっと残念です。 Cは音はよく出ていましたが、全体的に表現の幅が狭い。音の強弱もしかり、音色の使い分けもしかり。CはFのようにインパクトで圧倒することが難しい分観客に聴かせるには神経を使います。皆綺麗な音で弾けてはいましたし曲想をつけようという努力も感じられましたが、もう一つダイナミックレンジが狭いのです。また、音の「間」に対する配慮が足りてない。「ここは響きを印象づかせたいところだから実音が切れても倍音が残るように指を運ぶ」とか、逆に「ここは歯切れよく切っておきたいから倍音も一緒に完全に切る」とか、そういった細かいところにも注意して曲は作っていくものだと思います。フェルマータも勝手に伸ばすのでなく、曲の流れを読んで間をとってあげないといけません。音を出すだけが音楽なのではないのです。 そしてそれはそのまま大合奏にも当てはまると思います。音を出すだけが音楽ではない。もう一度考えてみては如何でしょうか。曲を作るというのは、ある意味理性を超えたものがあると思います。上で書いたように曲の「間」まで理性で統制しつつも、自分の音を聴きながら自分もその音の中に入っていくことでその曲のグルーヴ感なり自分なりの「味」なりが出てくるものだと思うので、その意味で曲を作るという行為は理性と感性のせめぎ合いのようなものだと思うのです。音を追っていくのではなく、音に飛び込んでいくことが説得力のある演奏への第一歩だと思います。自分で自分の演奏を聴きながらその曲の世界に入っていくことができますか?音を出すことだけに集中しすぎてはいませんか?出した音を聴いていくことこそ曲を作る上では最も大事なのです。そしてその音を聴くということができてはじめてその曲の中に飛び込んでいくことができるのです。来年の定演に出る皆さん、ちょっとその辺りを意識して見ては如何でしょうか。 以上、ちょっと辛めの批評でした。 |