2014年07月06日(日曜日)
モンゴル旅行記-1
さてさて、七夕が開設記念日のこの雑記帳。16年目となる今年は先日行ったモンゴルについての旅行記など、久しぶりの更新となりますが書いてみたいと思います。 | |
去る6月12日〜16日にかけて、新潟クボタが創立50周年記念事業の一環として行っている農機具屋の後継者研修の一環として、自分はモンゴルに行ってきました。12日と16日はまるまる移動日となっていますので、正味3日間の行程です。正直それまでモンゴルなんて行こうと思ったことはなかったのですが、これが行ってみたら実に素晴らしい。昨秋香港に行った時は初めての海外旅行ながら一応英語も通じるし、基本的に東京と同じような都市で治安もよく、「まぁまぁ何とかなるかな」くらいの旅でしたが、このモンゴルは全然違う。風景も、料理も、人々の暮らしぶりも日本とはまったく違い、アジアに通じる文化を底に置きながらそこにロシアの影響は色濃く受けつつも、欧米風の文化とも明らかに違う。もちろん英語なんて一部でしか通じない。文字通りカルチャーショックと言いますか、こんな風景の中でこのような暮しが実際に行われているのかと、それこそ価値観が変わるくらい刺激的な旅となりました。その意味で実に海外旅行らしい、刺激的な体験だったなと思っています。 |
12日の朝に新潟空港を出て、その日は仁川を経由してウランバートルに着くのが深夜11時過ぎ。ホテルに到着した時には深夜0時を回っていて、それでいて翌朝8時にはホテルを出発というなかなかの強行軍で始まったモンゴル研修。まず行くのはモンゴルでトマトを栽培している農家さんのところです。元々は新潟の農家さんのところに研修に来ていた方だそう。モンゴルでは野菜を食べる文化があまりなく、トマト栽培も周辺ではその方くらいしかやっていないとか。この農家さんの研修面でのレポートはFacebookに上げておいたのでそちらをご参照いただいて、ここでは別のお話をしたいと思います。
モンゴルの夏は9時とか10時にならないと暗くならないとはいえ、ウランバートルに着いた時はさすがに真っ暗な深夜。ホテルに着くまでの道程では町なみ、風景はよくわかりませんでした。朝になって見えるその町なみは、ウランバートルに関して言えば普通に都会です。ロシアの影響が色濃く出ているとはいえ、ビルが立ち並びます。けれどもそこから農家の方のハウスへと郊外に向かうと、ある時点で一気にビルは消え、草原、丘にバラックやゲルが並ぶ風景に変わってきます。写真はまだそうした家の密度が高いですが、次第にその数も減っていき、緑が目立つようになってきます。そして途中からは道路も舗装されておらず、土と石を巻き上げながら、ところどころ陥没した道に大きく揺られ、当然車線なんてない中で時たま対向車とすれ違いながら進みます。そして次第に西洋風の建物は減っていき、逆にゲルが目立って増えてくる。放牧されている羊や牛、馬といった家畜。そんなものが実際に目に飛び込んでくるのがとても刺激的で、何と言うかそれだけで「ああ、外国に来たな」という感じがしてワクワクしてきました。香港はきれいに整備されてましたからね。この感覚はない。そしてその見慣れぬ風景の果てに唐突に表れた場違いな感じのビニールハウス。バスを降りてその景色を見た時の高揚感はなかなかのものでした。もう完全に観光のまなざしモードですが、このハウスがある辺りは別段観光地というわけでもないので、外国人の目を意識して町なみが作り込んであるわけではない。そこがまた逆に生活感がリアルで、ゾクゾクしたのです。明らかに日本とは違う景色に文化、生活様式。それでもここで人は生活しているのだなと、その当たり前のことがとても新鮮に感じられて。 |
こちらのトマト農家の方のハウスで見てきたことは先述のようにFBに譲りまして、ここではさらに農家の方が我々をお手製のモンゴル料理でもてなしてくれました。馬乳酒やチーズ(馬か羊か山羊…どれだっけ?)、羊のヨーグルト、干しヨーグルト…、どれも正式名称を失念しましたが(オイ)、たくさん用意して歓迎してくれました。自分としてはやはりまず外せないのが馬乳酒。写真左上になります。実際飲んでみると酒と言ってもアルコールの感じはあまりせず、むしろ乳酸系のすっぱさで日本で売ってるヨーグルトの上澄みに溜まってる乳清をもっと強烈に生臭く乳臭くしたような感じ。日本人的には正直あまり美味しい感じではありません。馬乳酒はやはり皆さん気になるのか、とりあえず飲んではみるものの、ほとんどの方は「これダメだ」と残しておられた様子。まぁ日本人向けに味を調整とかまったくしていない、ホントに手作りのものですから無理もないかもしれません。自分は全部飲み切りました。馬乳酒はちょうど夏の始めにでき、その頃から夏の間飲み続けるんだとか。 | |
一般的には一年で最初に馬乳酒を飲んだ時は必ず下痢をするそうです。そしてその後は大丈夫になるとか。自分は一杯半しか飲まなかったせいか下痢までしませんでしたが、その話を聞いてちょっと警戒していました。野菜を食べる習慣のないモンゴル人は、馬乳酒を飲むことでビタミンやミネラルを補給しているそう。だから子供も飲むんだそうです。しかも肝臓にとてもいい飲み物だそうで、肝臓が悪い人には薬代わりにもなるとか。自分の感覚だと「お酒が肝臓の薬って…」というところですが、それが文化というものなのでしょうね。馬乳酒が食物繊維の代わりに腸の調子を整えているんじゃないかという研究まであるそうで、馬乳酒、結構マルチに大活躍です。 | |
ちなみに写真左下はヨーグルト、右下はこの後モンゴルにいる間何度となく食べることになるでっかい餃子(ホーショール?)で、肉は羊が使われています。チーズ等も含め、基本的には自分は美味しくいただけたのですが、干したヨーグルトだと言っていた、ビャスラグっていうのかな、あれだけはちょっと苦手でした…。ちんすこう以上にパサパサした、生臭いヨーグレットみたいな感じ。それでも手をつけた以上は月餅くらいの大きさのを一つ食べきりましたが、いやいや時間かかりました…。 |
こちらではモンゴルでまだ実例がほとんどないトマト栽培の苦労もそうですが、観光地と違って一切手加減なしのモンゴルをまず体験させていただいたのが衝撃でした。景色もそうですが、馬乳酒やビャスラグ等々、ホントに現地で味わわれているものをそのままいただけたのがとても嬉しかった。もちろん合う部分もそうでない部分もあるわけですが、それも含めて文化の違いというのはこういうことなんだなと、文字通りのカルチャーショックを受けて再びバスに乗り込みました。
その後は同じくモンゴルで花卉栽培を行っている日本人の方のところへ研修でお邪魔しました。こちらもFBにレポート上げてますので、詳細はそちらをご参照いただければと思います。FBに上げてない裏話として、モンゴル人の花の好み。今シーズン無事に一万本を売りきったチューリップですが、売れたのはすべて通常タイプのもの。花弁が細かく分かれるパーロットタイプというものはまったく人気が出ず、仕方ないからスタッフや近しい人にタダでいいから持って帰ってくれと言っても誰も持って帰ってくれなかったとか。それでも用意したパーロットタイプは割合的には極端に少なかったので事なきを得たそうですが、好みに合わないものはまったく売れないのがモンゴルの風土のようです。花卉栽培の方に言わせると、モンゴルではドカンとわかりやすい色合いの花が一般に好まれるそうで、日本でいういわゆる侘び寂びを感じるような清楚な花はあまり好かれないんだとか。文化の、違いですねぇ…。
この日の研修最後は本命、モンゴルでの米輸出事業を行っているMJパートナーズ様訪問。この時の内容もFBに上げてます。こちらではとにかく熱烈な歓迎をいただき、着くとまずスタッフの女性がモンゴルの伝統衣装に身を包んで迎えてくれ、たくさんのお菓子も用意していただいており、それだけでもモンゴルでの米輸出ビジネスが今上り調子なんだなという空気が伝わってきました。やっぱりね、違うんですよ、上り調子に勢いのある会社の空気は。前職でも、そうした会社にお伺いした時は同じような空気を感じていました。明るいのもそうなんですが、何と言うか一緒にやっていこうとする前向きな善意というか、そういうものを感じるんですよね。正直な所、なかなか今の新潟では感じることができないその空気。久しぶりにここで思い出させていただきました。
この後は昼食後にチンギス・ハーン広場観光、夕食…、と流れていき、非常に刺激に満ちたモンゴルの一日は終わっていきます。なお、モンゴルではウォッカがよく飲まれていて、食事の最後の方になると当然のようにウォッカが出てきます。チンギス・ハーン・ウォッカなる銘柄をこの日はしたたか飲んで、普通に美味しいウォッカではあったのですが、その後ホテルの部屋に戻ってスマホいじっていたら、まったく気付かない間に完全に寝落ちして朝を迎えていました…。きっと知らない間に一気に回ったんだろうなぁ…。恐るべし、モンゴル・ウォッカ。
そして翌日はテレルジのツーリストキャンプへ。いよいよ本格的な大草原に出て、モンゴルの大自然を体験です!
"モンゴル旅行記-1"へのコメントはまだありません。