2013年11月23日(土曜日)

特定秘密保護法に警鐘

 特定秘密保護法のいけないところは、前提として憲法で明記されている「知る権利」を差し置いて、国家が恣意的に「特定秘密」を設定できるところにあります。そして何が秘密にされているのかも明らかにされず、秘密を調べようとすると(それが秘密であるとわからなかったとしても)罰せられる可能性がある。これが情報統制でなくてなんでしょうか。

 世界でも各国とも特定秘密保護法的な法律はありますが、日本と違って知る権利は尊重しています。政府による秘密の指定において知る権利や人権など配慮すべき点を示した「ツワネ原則」を見てみましょう。

ツワネ原則の重要15項目 
(1)国民には政府の情報を知る権利がある
(2)知る権利を制限する正当性を説明するのは政府の責務である
(3)防衛計画や兵器開発、諜報機関など限定した情報は非公開とすることができる
(4)しかし、人権や人道に反する情報は非公開としてはならない
(5)国民は監視システムについて知る権利がある
(6)いかなる政府機関も情報公開の必要性から免除されない
(7)公益のための内部告発者は、報復を受けない
(8)情報漏えいへの罰則は、公益を損ない重大な危険性が生じた場合に限られる
(9)秘密情報を入手、公開した市民を罰してはならない
(10)市民は情報源の公開を強制されない
(11)裁判は公開しなければならない
(12)人権侵害を救済するための情報は公開しなければならない
(13)安全保障分野の情報に対する独立した監視機関を設置しなければならない
(14)情報を無期限に秘密にしてはならない
(15)秘密指定を解除する手続きを定めなければならない

 ほぼどれも守られていないです。あまつさえ重罰の対象となる漏えいも、他国が主に「外国、及び敵国への情報漏えい」を問題視しているのに対し、日本で制定されようとしている特定秘密保護法ではただ「特定秘密の漏えい」としているだけで、ただブログやSNSでそれに触れただけで処罰対象になる恐れさえある。これはいけないです。

 国を守るためだの何だの理屈をつけても、情報統制以外の何物でもないこの法律。大戦中のような国に都合のいい情報だけを国民に知らせる情報統制が最悪のケースとして目に浮かぶだけに、この法律は看過できないなと感じております。

 ちなみにツワネ原則、元記事はこちらになります。

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