2011年08月02日(火曜日)

豪雨被害地帯に入って作業してみて

本日は先の新潟・福島豪雨にて大きな被害のあった、三条・井戸場の信濃川沿いの畑を訪問しました。水害にやられ、水に潜ってしまった機械の引き上げ及び点検・メンテナンスのためです。午前と午後で一件ずつご依頼がありました。この井戸場河原の果樹畑地帯は、堤防の内側がすっかり水に潜った地帯です。水害後、私も初めて入りました。

井戸場河原の入口はもう弊社の2tトラックが停まれる程度には乾いているのですが、少し中に入るともう川水の汚泥が地面に蓄積していて、軽トラも4WDを入れていないと進めないような道になっていきます。長靴が5cmくらいは潜る感じでしょうか。今回のお客様が機械を保管していた場所に近くなると、これまでより一層泥が厚くなっていきます。お客様の畑に行くいつもの道はまだ水没したままで通れないので、今回はお客様の案内で途中でトラックを停め、一輪車に交換用のエンジンオイルや軽油、バッテリー等を積み替えて、一人が一輪車を押し、もう一人(私)がロープでその一輪車を引っ張る形で、10cm以上の汚泥が溜まった畑の中をやっと進んで行きました。酷いところは長靴がふくらはぎまで泥で潜る感じです。

機械のある場所は、川が近いとはいえ井戸場河原の中では少し高い場所になります。その小高い丘の上でも水は目線より高い位置まで来ていたようで、小屋にクッキリと泥の後が付いていました。今回引き上げた機械はSSですが、となりに置いてあったコンバインもアンローダ以外の部分はすっかり泥にやられた形跡があります。地面から160cm-170cmくらいは水が上がったということでしょう。当然桃も梨も、下枝の果実は全部やられてしまっています。

機械がある丘から下の畑に目をやると、1mくらい下にある桃畑はまだ水が引いておらず、川に浸かった状態になっています。お客様はもう既に袋がかかっている梨の袋を一旦取って、洗ってまた袋をかけ直さなければいけないからえらい手間だと仰ってました。その手間を考えるだけでも大きな被害なのに、この上まだ水に浸かっている桃畑があるのです。今地面を覆っている川泥は、果樹用に耕されて柔らかい団粒構造を持った土ではありません。だから乾くと固くなってヒビが入ります。この泥も、最終的にはどうするか考えなくてはなりません。

そんな被害状況に目を向けつつ、すっかり水が入ってしまったエンジンオイルと軽油タンクの中の軽油を換え、なんとかSSのエンジンをかかる状態にして機械を走らせて引き上げます。4WDのSSではありますが、10cm超もの泥の中では何度もぬかりかけてヒヤヒヤしました。引き上げすがら周りを見ると、泥を被ってしまったので病害虫予防に防除をしている人、今回のお客様のように袋かけをやり直している人、様々に被害の後片付けをしています。被災の中心に入ってみると、やはり今回の被害は大きかったし、後片付けの苦労も、その後の苦労も大きなものだと感じました。震災で津波にやられた地域も、大変なのでしょう。せめて、自分にできるお手伝いをしたいと思いました。

ちなみに今回も写真は撮っていません。例えば病気の家族を写真に撮られて公開されるというのは、あまり気分のいいものではないように思えまして・・・。記録は、それが仕事であるプロの人にお任せしたいと思います。私は、記憶にとどめたいと思います。

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