2008年12月28日(日曜日)
薬事法改正案
厚生労働省が薬事法の改正案を出している。この改正案が一部で大きな議論を呼んでいる。その中身には、ネットで買える薬を大きく制限するものが含まれているからだ。この改正案がそのまま施行されることになると、風邪薬や胃薬ですらネットで買えなくなる。それだけならまだしも、痔やら水虫やらといった、少々対面販売では買いづらい薬もネットで買えなくなる。消費者の面からしても非常に不便になるし、小売業者からしてもたまったものではない。この法改正には楽天を始め、多数の業者が抗議行動を行っている。
ネットで薬を売ることの危うさはわからないわけではない。私は薬に関する知識は並よりはあるし、仮に不明点があってもそれを調べて理解する術をいくつも持っているからよい。が、一般的には薬は良くも悪くも人体に影響を及ぼすものだから、使い方を誤れば大変なことになりかねない。それを防ぐのも薬事法の目的の一つだ。だから、方向性としてはまったく理解できない訳ではない。ある程度、仕方ないかなと思う側面もある。が、コンビニで買える薬すらネットで買えなくなるのも如何なものか。コンビニは対面販売だからO.K.、ネットは対面じゃないからNGという論理らしい。薬剤師のいないコンビニと、薬剤師がいるネット販売と、どっちがいいのか?
薬の販売に関しては必要性や使途の問題等含めて考えると色々とデリケートな問題に突き当たらざるを得ないので、明確に一方の論理だけを持って結論を出すことはできない。利用者側と供給者側の間で、利便性と安全性の間にどこで線を引くかというバランスの話に結局なっていく。そう考えると、この法律は少々そのバランスの崩れたところまで線を持って行き過ぎているように思える。制限がきつすぎるのではないか。しかもその制限に対する理由の説明が不明確かつ理不尽で、根拠も希薄なのではないか。私自身ネットで薬を買うこともままあるので、今回、珍しく反対署名運動に参加した。私が反対と考えるから同調してほしいというわけではないが、この問題は一度考えてみてほしい。多少視点のバランスが悪いところは否めないが、楽天がこの問題を非常によくまとめてくれている。目を通してみる価値はあると思う。
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