2006年10月29日(日曜日)

祖父からの電話

 夕方、16時半くらいだろうか。実家から電話がかかってきた。いつものパターンだと9割方は母からなので、そのつもりで電話に出てみると、実際は電話の向こうで話していたのは祖父だった。TVを観ていたら佐賀の有明海に天皇陛下が訪問されたというニュースが流れていて、それで何となく電話をかけてみたらしい。私の妻は佐賀出身だ。そうでなければ、佐賀のニュースなんて気にもとめなかったんだけど、とは祖父の談だ。本当に、特に用事があるわけではない、それだけの世間話の電話。何となく、不思議な感じがした。

 祖父がこのように自分から電話をかけてくることは滅多にない。もしかしたら、今回が実家を出て以来初めてだったかもしれない。だからこそ、不思議な感じがしたのだろう。昨晩から一緒に暮らしている父と母は出かけていたそうで、もしかしたら祖母も出かけていて、話し相手がほしかったのかもしれない。まぁでもそれでも、そのくらいのことで電話をかけてくる人ではない。

 うまくは言えないが、こういったこともある種の縁なのかもしれない。私が妻と結婚して、その妻が佐賀出身でなければ、今日のその天皇陛下の佐賀訪問のニュースはきっと祖父の耳には聞き流されていたことだろう。祖父の世代の新潟県民にとって、佐賀は関心事とするにはあまりに遠い。それが今はこうして佐賀のニュースを聞く度に関心を寄せるようになり、それが一つの行動を起こさせるくらいにまでなった。それは実は結構、大変なことだ。本当に、これまで祖父から直接電話をもらったことなどほとんどないのだから。そして何故だろう、私は今日のこのことを、ずっと覚えていなければいけないような気がするのだ。それはつながりの、証として。

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