2006年01月23日(月曜日)

ライブドア・ショック

 『ホリエモン逮捕』。その報はYahoo!ニュースasahi.comが速報の第一報を伝えたのとほぼ同時にウチの社内にも広がった。IT界の寵児として象徴的な存在だっただけに、今回のライブドア騒動の注目度は社内でもさすがに高い。まぁ事の真偽や報道・風評のあれこれはともかくとして、個人的にはこれで少し安心した。IT社長としての堀江氏はともかくとして、政治家として出馬しようとした堀江氏は正直まったく好きになれなかったから。

 ビジネスの世界だからこそあのやり方でも英雄になれたし、それを別段非難しようとも思わない。エグイっちゃエグイが、それを言ったら資本主義と言う仕組自体がグロテスクだ。個人的には資本主義というもののグロテスクさそのものから目を背けた状態で堀江氏の手法の非難をしても意味はないと思っているが、誰もそこには触れないし興味も持たないようだから何も言わない。そもそもこれは別の話だ。ただ、政治家としてあのビジネスでの手法をやられたら、社会がとんでもない事になる恐れがある。強者をより強く、その収穫逓増の原理はビジネスの世界でならイコール価値の増大になるし、市場原理は根源的に無慈悲だから仮に勝てなかったとしても自己責任だ。だが、政治はそれでは困る。あの思想で政治をやられたら、ひどく荒んだ競争原理が膨張して、華やかな虚像と水面下の緊張が常に拮抗する、精神的にゆとりのない世界が出来上がりかねない。最悪、ただの独裁政権になるかもしれない。

 これ以上詳しくは語らないが、とにかくそんな理由で政治家として出馬しようとした堀江氏は徹底して好きになれなかった。だから、今回の件で少し安心している。これで、少なくとも彼が政治家としてやっていくことはもうできないだろう。今回の騒動で、彼は完全に政界から総スカンを喰らってしまった。社長としては、まだ起死回生の目はあるかもしれないが。

 ただ、同業界の寵児としての彼の没落は、少しばかりは寂しく思う。好きか嫌いかは別として、やはり彼はこの業界の成功者の象徴だからだ。まぁ、俺みたいな技術指向の人間からはあまりIT社長って興味を持たれないのだけれど。

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