2005年06月26日(日曜日)

Cragganmore - クラガンモア12年

クラガンモア12年 Distillery : Cragganmore
Years : aged 12 years
Area : Speyside
Bottler : Official
Cask Type : burbon
Product : 40% vol, 750ml
Price : 3,000yen
Remarks : -

 普段飲み用としてタリスカーと並んで愛飲しているスペイサイドの銘酒。スペイサイドの代表格と言えばやはりなんと言ってもマッカランだが、個人的には同じ12年もの同士だったらこのクラガンモアの方がおいしいと思う。ちなみに、オールドパーの原酒としても有名。

 「すべてのモルトの中で最も複雑な香り」と呼ばれるクラガンモア。その最大の特徴はやはりビンを開けた瞬間に広がる軽やかな香りだろう。蜜のようなトロンとした甘さではなく、さっと溶けては消えていく和三盆のようなべとつかないさらりとした控えめな甘さと、草木の緑のような新鮮な空気があっという間に広がっていく。ビンを開ければもうグラスに注ぐ前からわかるほど香りの広がりが早い。口当たりもスムーズで、上品な甘みを感じたかと思うと、すぐに甘みは形を変えて新鮮な緑の空気やもう少しドライな落ち葉のような後味を残してきれいな余韻を残しながら消えていく。軽やかで雑味が少なく、かといって印象が薄いわけでもなく、しっかりと奥深いボディを持ったこのクラガンモアは間違いなくモルトの傑作の一つだ。

 この蒸留所は1869年の設立以来、現在に至るまで設備・手法ともほとんど変えずに運営されているそうで、普通と違い上部が平らなポットスチルを使って蒸留する、その独特なポットスチルの形が蒸留中に上記の中の不純物を取り除くのだという。マッカランやボウモアのように製品ラインナップが豊富なわけではなく、オフィシャルで通常販売されるのは12年ものだけというのが少々寂しいところではあるが、まぁ贅沢言わずにこの12年を堪能していれば十分という気もする。それほど、よいモルトだ。

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