2004年08月18日(水曜日)

空飛ぶブランコ - 夢の話

 久しぶりに印象に残る夢を見ました。ブランコの夢です。よく公園や神社にあるような、四人乗りのカゴ状の、観覧車のブースが骨組みだけになったようなあのブランコの夢です。

 私はそのブランコに数人で乗り込みました。他に誰が一緒だったかはわからないのですが、とにかく弟は一緒でした。そしてその弟が私を含め数人を乗せたブランコをこぎ始めます。昔家の近くの神社のブランコでよくやったような、背もたれの上に立って天井の支点となる軸棒をつかんで両足の脚力で勢いよくこぐ立ちこぎです。ブランコは一気に加速していき、乗っている私達は楽しそうにはしゃぎます。ブランコが大きく揺れ、グオンと頂点まで駆け上がって一瞬フワッと静止し、次の瞬間にはまた逆の頂点に向けて振り戻っていく。何回も、何回も繰り返しました。その内、ブランコが勢いにまかせて、それまでの頂点より上まで駆け上がっていきます。そして次はまたその上へ。大きなブランコが振れる度、その頂点は上へ上へと上がっていき、ブランコは次第に空高く上っていきます。グオン、グオンと振れながら。

 気付くとそのブランコは完全に空高く舞い上がっていて、学校のグランドの遥か上まで来ていました。グランドの人が小さく見えます。建物でいったら少なくとも10数階はあろう高さで、いつの間にか私は一人乗りのブランコにしがみついて空中を振り子のように大きく大きく行ったり来たりしています。他の人たちはいつの間にか皆地上に降りてしまい、私だけがアルプスの少女ハイジのような天から吊られたブランコにつかまり、物凄いスピードで行ったり来たりを繰り返しているのです。それはもう恐怖でした。風を切って空中を大きく前に振られたかと思うと、一瞬の静止の後今度は背後に引っ張り込まれる。夢の中でのその体験は、夢の中の私に以前見たジェットコースターの夢を思い出させました。地獄のジェットコースター、乗るのは地獄に堕ちた罪人達で、ディズニーランドのように長蛇の列で人が並んでいるのを、大きな赤鬼が逃げ出さないように睨みをきかせていたあの夢です。いざジェットコースターに乗ってみると、くるりと一回転して水平走行に戻るところで、ちょうど首の高さにギロチンの刃がセットされていて、そこを通過する度にジェットコースターに乗っている人達の首が空中に飛んでいくというギロチンコースター。今回の夢の中でその夢を思い出しました。その時と違うのは、恐怖に怯えながら空中を揺られているのは私一人だけだということ。地上にいる他の人達は至極楽しそうに嬉しそうに、空中を行き来する私に向かって微笑み、声をかけ、手を振っているのです。振り落とされそうな恐怖でしっかり一人乗りの小さなブランコにしがみついて、何度も大きく揺られながら少しずつゆっくり地上に降りていく私を、彼らはまるで英雄でも迎えるかのように待ち構えています。ブランコは人の顔がしっかり判別できるような高さまで時間をかけて降りていき、そこで夢の記憶は途絶えています。最後、私は笑顔で迎える人達の間に、どのような表情で、どのような態度で降り立っていったのでしょうか。

 例のギロチンコースターの夢を見たのは高校三年(浪人だったか?)の2月くらい、後戻りの効かない受験戦争の最中でした。では、このブランコの夢は?どちらも暗示しているものの共通項は多いです。自分で行き先・コースの制御のできない、体感速度の非常に速い乗り物。まったく、ロクな夢を見ません。

 ところで、どこかで他人の夢の話というのはあらゆる話の中でいちばんつまらないものらしいというような言葉を聞いたことがあります。この話も、やはり皆さんにとってはつまらないものだったのでしょうか。

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