2003年10月10日(金曜日)
小さくとも形になった感性達
CDラックの奥の方を「何があったかなぁ?」と思って少し引っ掻き回していたら、今ではちょっと他で見当たらないようなCDを3つばかり見つけました。1つはクラギタの2つ上の先輩がプロデュースしたCDで、それをもらったのか買ったのか忘れたけど、とにかく今こうして手元にある『Two(+1)on Exhibition』。アート系のセンスを持ったある種の人間が持つ独特な雰囲気をその先輩もやはり持ち合わせていて、高品質紙にプリンタで印刷された、滲んだ水彩画風の表ジャケットや、モノトーンで写された外国の街並の写真の裏ジャケ、そして中の歌詞カードに至るまで、今見てもやはりとてもセンスがいいのです。音楽はどんなものが収録されていたのか、正直今は思い出せないので、後で聴いてみようと思っています(今は残り2つのうちの片方を聴いています)。
次は当時付き合っていた彼女のバイト友達で、シンガーとしてちゃんとした事務所に所属してやっていて、その当時メジャーデビュー一歩前くらいの位置にいた人が参加したコンピレーションアルバム。何度か一緒にカラオケに行ったこともあるけれど、可愛ければよしのアイドル系ではなく真面目にシンガーやってプロ目指してるだけあって、さすがにそこらへんの女の子や学生バンドの女ボーカルなんかより全然うまかったですね。どうなったんだろう、私は名前を聞きませんが、メジャーデビューできたんでしょうか?
そして3枚目は今聴いているCDで、まりも氏の強い勧めで何度かライブも観てこのCDも持っている、みじんこ!の『ケンビキョウと宇宙』。当時立命の軽音の看板バンドの一つで、くるりのメジャーデビューなどで盛り上がっていた立命のバンドシーンの中でも一際目立っていた、というか個性を発揮していたバンドです。・・・とまぁ知ったかぶってますが、二度程バンドに在籍したり引き込まれそうになったりはしたものの(苦笑)、私も立命のバンドシーンにそんな詳しかったわけではないのでまぁ個人的な印象です。で、このみじんこ!が結構いいんですわ。正直、特別うまいわけではないんですよ。もちろん下手でもないですけれど。ただこう、音といい歌詞といいなんかホッとするんですよね。ボーカルの人、確か体の小さい、長めのおかっぱ頭の女の人だったように記憶してますが、学園祭でギターを弾きながら気持ちよさそうに揺れながら歌っていた姿が思い出されます。それを見て私も「もう一度バンドやってみるのもいいかもなぁ」とちょっと感化されたものです(笑)。音楽性としては敢えて言うならスピッツに近いけど、もう少しおっとりとした浮遊感が漂う、なんかちょっと天然系の暖かな音です。リードギターもセンスの塊のような人で、曲の流れの中で随所にビビッとくる演奏を聴かせてくれていました。確か、卒業記念にこのCDだけ出して解散したんでしたっけ?
こうして見てみると、昔はちょっと周りを見回せばそういったセンスや行動力を持った人達がたくさんいたんだなぁ、って思います。社会人になったからなのでしょうか、それとも学生の頃の環境があまりに特殊だったからなのでしょうか、今周りを見回しても、そんなセンスを磨いてそれを外に出していこうという人なんてほとんどいません。ギリギリ一杯一人いるかな、くらいです。きっと私なんか及びもつかないような、想像もできないくらいのセンスや見識や行動力を持った人もいるんでしょう。ですが、少なくともそれらが発揮されているところをお目にかかる機会はありません。正直、つまらないですね。外からの刺激に飢えています。刺激といってもストレスはもうたくさんです(爆)。私の感性を刺激して、つっついて、赤く腫れ上がるくらいにぶっ叩いて、「負けてられるか」と思わせてくれるような、そんな感性に飢えています。だからこそ先週もみなとみらいまで一人で繰り出したりするわけで、狂ったように次から次へと小説を読みあさったりもするわけです。ですが、なかなかうまくいきません。なかなかうまくいきません。感性を刺激してくれる、そんな空気に飢えています。ライブとか何とかそういうことではなく、日常の中に溶け込んだ創造というものに向き合う空気に。学生時代は気付かなくても常に周りに、当然クラギタの中にも、Toward eveningの中にもあった、あの空気に。正直、つまらないですね。
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