2002年03月26日(火曜日)
真・謝り侍
今日、本物の「謝り侍」を見てしまいました。夕方、私と同期の仲間は入社一年目の仕事として割り当てられているゴミ出しを行うべく、不燃ゴミの詰まった袋を両手に抱えて会社のビルのエレベーターに乗りました。私の部署は実は一週間程前に「人数が増えて手狭になってきた」という理由で本社を離れ、近くの雑居ビルのワンフロアに移っていたのですが、他の階には当然他の会社も入っているわけで、エレベーターで見知らぬ人と乗り合わせることはよくあります。そして今回も9Fから下りてきたエレベーターには、何やら偉そうな老人が乗っていました。老人は、傘を杖のようについてマフィア風に少し背を曲げて立ち、しかもさらにマフィア風なことに色の濃いサングラスまでかけています。「何者だ、こやつ!?」と思いつつもエレベーターに乗ると、老人は私の同僚に話しかけてきます。ゴミを抱える我々を見てそれと悟ったのでしょう、「新入社員か?」などと語りかけてきています。そして同僚がそれに対して当たり障りのない受け答えをしています。
そうこうしているうちにエレベーターが1Fに着きました。我々がゴミ袋を抱えて老人より一歩前にビルを出て、道路の所に出ました。すると、我々と同じくらいの年であろうスーツ姿の男性が、直立不動でじっと前を見据えているのです。我々の後に老人がビルから出てきます。すると、その男性、その老人に向かって突然ガバッと土下座をして、周囲に響く大きな声で「お願いします、教えてください!」と叫んだのです。土下座ですよ、土下座!しかも渋谷の大通りの真ん中で!しかも雨に濡れている道路にスーツ姿で!それはまさにシュールな光景でした。我々はその出来事に凄まじく動揺しつつも、立ち止まって見ているのもバツが悪いので、そそくさとゴミ袋を持って坂の下のゴミ捨て場まで去っていきました。一体あれは何事だと訝りながらも。そして我々が無事ゴミ捨ての任務を終え、また坂を上がってきてみると・・・。なんと、彼はまだ土下座をしたままで道路に臥せっていました!老人の姿はありません。恐らくシカトをくれてとっとと行ってしまったのではないでしょうか。そういえば、私達が今いるビルにはマ◯チ商法の会社が入っていて、そこの社長は恐ろしく気難しい老人だと聞いたことがあります。まさかあの老人がそうなんでしょうか?そして土下座していた彼は、一体何を教えてもらいたかったのでしょうか?謎は深まるばかりです・・・。
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