2000年08月15日(火曜日)
『まだ行っていない京都を回ろう計画』-祇園近辺〜ねねの道-
今日は「まだ行っていない京都を回ろう計画」の第一段として祇園近辺〜知恩院〜八坂神社〜ねねの道〜京・洛市ねね〜円徳院〜掌美術館〜高台寺(夜間拝観)〜ジャズバー・オンリエド(いきつけ)をひたすら歩いて回ってきました。いや、私ももう京都は今年が最後ですからね。3年ちょい住んでて意外に京都をあまり見てないので、いるうちにまだ行ってない京都を味わおうと思いまして。
まず知恩院に行く前に、途中にあった琵琶湖疎水の流れに足を浸したところから今回の京都巡りは始まり、知恩院方丈庭で鴬張りの廊下を抜け三方正面向きの猫と視線を合わせてきました。この三方正面向きの猫というのはダ・ビンチのモナリザよろしくどこから見ても絵の中の猫と自分の目があっているように見えるというもので、本当にどこから見ても目が合うので私はたまたま周りに人がいなかったということもあり、絵の真正面にドカンと胡座を書いて座り、猫と数分間見つめ合ってきました。何やら悟りが開けた気がします。そして八坂神社を抜けカラメルを買い食いし、京都らしい古い街並が残る小道を抜けて京・洛市ねねへと向かいました。ここでは都路里のグリーンティーとあんみつを堪能し、適当に買い物を。そして円徳院へ。円徳院は秀吉の正妻であったねねが願って建てたもので、またねね自身がその生涯を終えた場でもあります。人もほとんどいなく、ちょうど夕暮れを迎えた円徳院の庭は素晴らしく雅な空気に満ちていて、思わずその風景と静けさに見とれて数十分ぼ〜っとしてました。この美しい庭を見ながら生涯を終えられるなら幸せだろうなぁ、とかそんなことを思いながら。枯山水風の庭の木々に夕陽が当たった風景が醸す叙情性は言葉でも何によっても形容しがたいものがあり、この風景に似合う音楽って何だろう?と思いながらも本当に似合う曲が思い浮かばずにいました。日本の庭が醸す風景なのに、さくら変奏曲等の曲も真に的を得ているように思われず、自分の音楽的なボキャブラリーの少なさを少々嘆いたりもして。敢えて合う曲を探そうとするなら、音によって音楽を聴かせる曲ではなく、音と音の間というか余韻というかの響きで聴かせる曲になるんでしょう。強いていうなら武満徹でしょうか?そして最後の高台寺。ここも秀吉縁の寺ですが、19日まで夜間拝観をやっていてライトアップされるのですね。それが楽しみで行ってきたのですが、ここも素晴らしかったです。高台寺に通じる北の政所の坂(ねねの坂)を昇って振り返った時に、石段の階段の両側に茂る木々や竹薮を照らし、反射する夕陽の美しさからしてやられました。そして入り口で日が沈むのを待って、ライトアップされた高台寺へ。光に照らされた広大な山の自然を利用した庭と、見事な造りの建物がもたらすコントラストはもうため息ものでした。高台寺や円徳院あたりの夜間拝観は清水寺や金閣寺ほど有名ではないので人はそんなにいないのですが、その素晴らしさは清水寺や金閣寺をも凌ぐものがあると思います。本気で感動して帰ってきました。
今日は久しぶりに正しい日本の夏の風景を見た気がします。明日は計画の第二段として、銀閣寺を見て大文字の火送りを見物に行きます。京都に3年住んでて一回も五山の火送りを見たことがないのですね。最後ですし、是非気合を入れて見に行きたいと思います。ちなみにこの「まだ行っていない京都を回ろう計画」、私とともに回ってくれる人を随時募集中です。共に京都の素晴らしさを味わおうという気概のある人、一緒に京都を堪能しましょう。
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