2000年08月29日(火曜日)

呪いの人形

 今日はBOXを出た後、皆で小松原児童公園でおそらくこの夏最後になるであろう花火をしていました。ですが、我々は控え目な花火でチョロチョロと楽しんでいるのに同公園で盛大な打ち上げ花火やらトンボ花火やら上げまくって騒いでいる連中がいる。実にやかましかったのです。そして微妙にトンボ奪ってきたいなぁと思いつつ我々が最後の締めに線香花火を皆で暗く輪になって座ってやっていた時、後ろから声をかけてくる人物がいました。・・・警官です。

「ここ一応花火禁止なんだよね。小さい花火だけど、近所から110当番通報あったし、悪いけど片付けてくれるかな。」

 その警官はそう宣いました。いや、花火禁止の所でやってたのは悪いけど、でも110当番通報の原因作ったのは俺らじゃねーだろ!? と思ってもう一つのグループの方に目をやると、なんとタイミングよく丁度静かになっていた時で、警官も気付かずおとがめなしです。間違ってる!!! 何かが間違ってるぞ世の中!!! そう思いつつも仕方がないので我々も撤退し、残った線香花火を消化する舞台としてウチの近くのグランド付き公園を選定し、そちらへと向かいました。そこに強烈なお迎えが存在しているのを知らずに・・・。

 それを最初に発見したのはりとりとでした。いや、にらめっこという噂もぎぃちゃんという噂もありますが、第一発見者は特定できずとも、ぎぃちゃんはそれを見つけるなり思っくそ蹴っとばしたという事実は確かでしょう。あの、呪いの(というかきっと呪われているに違いない)人形を。それは赤い服を着ていました。サンタさんのような格好でした。それは女の子の人形でした。ブロンドの髪をしていました。結構大きい人形で、やけに儚い曲調のオルゴールもついていました。オルゴールは鳴るのです。鳴ると首が回るのです。焦点の合っていない、人形の目が宙をゆらゆら彷徨うのです。ゆっくり首が回るのです。首の落ち着いていない乳幼児のように、いや、力をなくした死人の首のように。そして冷静に曲に耳を澄ますと、ギィギィと音が聞こえてきます。それは首が軋む音でした。ゆらゆら回る、人形の首の、確かに軋む音でした。それは「ぎぃちゃん人形」と名付けられました。BOXに持ち込もうとする人間がいましたが、明日以降BOXに現れカナモリのライバルになるかはまだ謎です。きっと夜勝手に動きます。ひとりでにオルゴールが鳴り出すに違いありません。あれはきっと呪われてます。どっとはらい。

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