2000年06月05日(月曜日)
あるOBとの出会い
この前BKCに遊びに行っていた時、ふとギターが弾きたくなってBKCのサ−クル倉庫からBOXギターを持ち出してサークル倉庫のある建物(名前不詳)のラウンジのようなところでギターを弾き倒していました。土曜日の夕方で周りに人もほとんどいなくて、静かな中でのんびりとギターを弾いていたのですが、その時たまたま通りかかった40過ぎくらいの男性に声をかけられました。聞くと、その方は25年程前に立命のクラギタでコンサートマスターをやっていた人で、たまたま仕事でBKCに来ていたらギターを弾いている人間がいたので声をかけてきてくれたというのです。その方はもう35年も(その方曰く)自分のためだけに演奏しつ続けているそうで、今はリュートや特注の10弦ギターも弾いているそうです。名刺をいただき、私も付箋に名前やメールアドレスを書いて交換したのですが、昨晩早速メールをいただきました。その中に、「どうか一生ギターを弾き続けていただければと思います」と書かれていたのを読んでなんだか妙に嬉しくなりました。
昨年も1、2回日記に書いたことですが、そこら辺を探せば「自分も昔はギターを弾いていたよ」という人には案外多くお目にかかれます。が、弾き続けている人というのは比率にしてみたらとても少ないのです。それで私も社会人になって忙しくなったらギターもあんまり弾けなくなるのかな、それなら今やっていることは一体何なんだろうという思いに駆られることがままあるのです。実際就職先も決まり、やることが見えてきてその大変さも見えてくると、その不安はさらに強まってきます。言うまでもないことかも知れませんが私はギターが好きです。音楽が好きです。しかし好きというだけでは時間や環境はどうにもならない。その時間や環境に押しながされる形で私も世間にたくさんいる「昔はやっていたよ」のクチになってしまうのかなと思ってしまいます。けれど、土曜日に会った方のように35年、仕事に就いてからもギターを弾き続けているという人に会えるととても勇気付けられます。仕事は忙しいかもしれないけど、それでも弾いていけるという自身が持ててきます。先日喫茶『アルハンブラ』で上田英治夫妻とお話していた時もコンピュータの仕事をやりながらギターを弾き続けている人の話をお聞きできました。私が習いに行っている先生は「昔の教え子が演奏会に来てくれて、一時期は忙しくてあまりギターは弾けなかったけど最近はまた余裕が出てきて本格的に始めたと報告してくれたりするととても嬉しい。私はギターを一生楽しんでもらいたいんですよ」とこの前のレッスンの時話しておられました。「演奏会は華々しいですけど一瞬ですよね。でもギターを楽しめるのはその一瞬だけではないのです」とも。
やっぱりギターの音色は年をとっても魅力的なものであると思いますし、何よりも音楽を奏でられるということそのものが心を満たしてくれるようにも思います。色々不安はありますが、やはり私は一生弾き続けていきたいと思っていますし、実際弾き続けている方に会えるとその思いは一層強まります。そして私もいつかキャンパスかどこかで後輩に会えた時、一生弾き続けられるギターの魅力とその可能性を少しでも伝えてあげられたらいいなと思います。BKCでお会いした方とはほんの偶然の出会いでしたが、そんな偶然から凄く励まされたように感じられる。不思議ですよね、出会いというものは。
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