2000年05月21日(日曜日)

おぼつかないからこそ堂々とやれ

 私がギターを習いに行っている先生ですが、いつの頃からか書道にハマッてきていまして、教室の中にはところせましと先生の書いた作品が飾ってあります。微妙に崩した独特の字で哲学的なのやら教訓なのやら、とにかく何か文句を書いていくというもので、スタイルとしてはあの相田みつをにそっくりです。影響を受けているんでしょうかね?直接先生に問いただしたわけではありませんのでなんともわかりませんが、作品を見た感じではそのような印象を受けます。で、その作品の大体は正直あまり私の興味を引くものではないのですが、中に一つだけ「お、これは!」と思うのがありました。まぁそれも字ではなく書かれた文句に引かれたんですけど、多分先生は字よりも文句をウリにしていると思うのでまぁ本望でしょう。で、それにはこう書いてありました。

 おぼつかないからこそ堂々とやれ
 照れるのが一番下手

 微妙に私がステージに上がる時の哲学とよく似ています。だからこそ興味を持ったんでしょうけど。ステージに立つ時、それは不安も緊張もありますが、だからといってそれに屈してビクビクした態度で舞台に上がっていって、おどおどとした礼をして、縮こまるようにして椅子に座って、そして恐る恐る最初の一音を出していたのではいかんのです。たとえそれが完全なハッタリであったとしても、ステージに立つ時は常に堂々としているべきなのです。パフォーマンスなんかじゃありません。堂々としていないと自分の気持ちが舞台の空気に負けてしまい、結局いい演奏ができないのです。もちろんビクビクした態度で壇上にいたんじゃステージマナーにも反しますが、それ以上に堂々とした態度でいることで自分の心に暗示をかけるというような面が大きいのです。音楽というのは自分が思っている以上に精神状態が反映されるものだと思います。そして精神と身体は実に密接な相互関係にあると思うのです。いや、ただの私の経験上のカンですけど。だからこそ堂々とした態度でせいぜい大物ぶってステージでの立ち居振る舞いを行うべきでしょう。そうすることで何処か心も堂々としてきます。そしてそれは演奏へと直接フィ−ドバックされていくのです。そして、言うまでもなく最高の演奏こそが最高のパフォーマンスなのです。そのために心が負けてはいけません。特にライブが素晴らしい演奏者で、態度が情けなく感じる人はいません。まずはともあれ態度から。そのくらい言い切ってもいいと思うのです。

 ただし、それも本番当日の話。本番前までの練習がやはり何よりも一番大事なのですけどね。しかし、本番自分がそれまでやってきたことを、成果を充分に出すためにはそういったことも必要なのではというお話でした。本番になると練習程うまく弾けないとお悩みの方は試してみては如何でしょうか。ただ、なんだかんだ言って一番本番頼りになるものはそれまでにやってきたことです。本番までにもうこれ以上できないって言うくらい頑張って、それでも弾けないところがあるのなら、あとはハッタリでもなんでも堂々とした態度でステージに立てば少なくとも本番練習より酷くなることはないです。それは断言できます。が、本番一ヶ月前になっても毎日一時間ちょいの練習くらいしかしないでステージに立つような程度だと保証はしかねますねぇ・・・。私が今日述べたある意味での精神論は、練習の成果を100%〜200%引き出すことは確かにできますが、その練習の成果、ってのが最初からないのでは話になりませんからね。

 独重に出る皆さん、頑張ってください。

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