1999年08月13日(金曜日)
高校時代と少年の幻想
今日は午後から良く晴れてきたので、久しぶりに高校時代を過ごした三条市の方を自転車でブラリと回ってきました。変わったところもありましたし、昔のまま残っているところもありました。卓球部の部室にも足を運んできたのですが、いやいや相変わらずのむさ苦しく狭苦しい空間で・・・。でもまぁ何故かまだ私が使っていた棚のところには「小林」とのラベルが残ってたり、卒業した時部室にそのまま残してきたラケットもボロボロになりつつもまだ生き残っていたりと当時の面影はまだ多少残っていました。しかし昔はあんな部屋で10数人ものヤロー共が着替えてたむろしていたのかと思うと凄まじいものを感じますね。いや〜、若さとは素晴らしい。
そしてその後高校の近くの河原に行ってちょっとボ〜ッとしてたのですが、そこで面白い少年に出会いました。小学校1、2年生くらいの少年です。今日は近日にさして大雨が降ったわけでもなく、おかげで川の水も澄んで浅いところではかなり綺麗に川の中も見れたので、私は水際のギリギリのところに座って川の中をのんびりと眺めていたのですが、その時不意に後ろから声をかけられたのです。
「なんかいる?」
「ん〜、魚の細かいのがたくさん」
そんな会話から始まり、その少年はタモを持ってきて私に魚を捕ってくれと頼んできます。まあ魚を捕るのも昔はボチボチやっていましたし、そういうのは基本的に得意な方なので私は少年のリクエストに応じて小さい魚を何匹か捕ってやりました。まぁこれだけならただ単にちょっぴりハートウォーミングなだけの話なのですが、その少年がなかなか微妙に面白い。私が魚をとっている最中に「ロケット花火発見」とかいって川の中に潜り、ロケット花火の残骸を拾ってきては「いつ爆発するかも知れないから気をつけろ。う〜ん、火薬はどこだ!?」とか言ってたり、「これは研究所に持っていってコンピュータで分析しよう」とかいって持っていた袋に入れたりする。魚を1匹とってやると、「これを100万円で売って、・・・う〜ん、1億3000円だな」とか言ってみたり、かと思えばまたロケット花火を拾ってこの部品がどうとか語ってたりする。まぁまぁ無邪気と言えば無邪気。なかなか面白いですよね。きっと彼の頭の中では彼自身が作り上げた独自の世界があって、その世界と外の世界を変幻自在に組み合わせることで彼はきっと半永久的に遊んでいくことができるのでしょう。最近はこういうある意味ヤバイくらいに純粋に自分の世界を持った子供が少なくなったような気がします。私も子供の頃は自分が作り上げた魔法の世界の中でよく空想と現実の狭間に遊んでいたものです。それが結局想像力につながっているのかはわかりませんが、とりあえず直接的な意味での想像力にはやはりつながっているのでしょう。最近は子供も早いうちから完全に大人と変わらない現実の中に入っていってしまう、あるいはそのように仕向ける傾向があるようで、それはそれでこの現実社会での適応力を早いうちから身につけるという意味では悪くないのかも知れませんが、同時に空想によってできるパラレルワールドの喪失を招いているのかも知れません。そのパラレルワールドがこの現実世界の中ではたしてどれほど役に立つのかはわかりませんが、始めから全くないのとあって意識しないのとではどこかで深みが違ってくると思うのですがね。ちょっとそんなことを思ってみたりもしました。
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