1999年02月04日(木曜日)

自炊奮闘物語

 今日は下宿生活2年目にしてようやくまともに自炊をしてみようかという気紛れを起こしたとある男が夕飯の一品のために描いた聞くも涙の青春物語をお贈りしよう。その男は昼間冷蔵庫を見て、自分の部屋に意外に食材がたくさんあることに気がついた。それも野菜系のものばかり。このまま腐らせておくには結構もったいない気もするなと思った彼は、どうせ今晩はヒマなことだし一発自分で飯でも作ってみようかととんでもない決心をした。そしてこの物語は幕をあける・・・。

 まず彼は家にある食材の点検を始めた。ジャガイモ、ニンジン、菜っ葉のような京野菜(正式名称不明)、味噌、パックのだし、そして卵である。このラインナップを見て彼はふと思った。おお、これなら世間一般に『ミソシル』と呼ばれているものができそうじゃないか。味噌汁。彼にとってはかなりの大技である。だが躊躇してはいけない。作り方は人が作るのを見て覚えたはずじゃないか。なにより味噌汁って入れるもん入れりゃ何とかそれなりにできてくれそうじゃん!? そう自分で自分を励ましながら、彼はとうとう料理に取りかかり始めた。

 とりあえず今回はニンジン君にはレギュラーを外れてもらうことにして、彼はジャガイモと菜っ葉のような京野菜を切ることにした。京野菜は茎の部分を細か目に、葉のところは大き目にザクザクと切って裁断完了。ここまでは問題はない。さて、次のジャガイモである。こいつは皮を剥くのがハッキリ言ってかなり面倒臭い。よってそのままブツ切りにして汁の中に放り込んでくれようかとも思ったが、やはりそれは止めにしてキチンと皮を剥くことにした。ここで一発指でも切ってしまえば奮闘記として読者の皆さんを盛り上げることができるところであるが、残念ながら彼は手先は結構器用な方なので一旦意を決して剥き始めてしまえば何事もなく無事綺麗に皮を剥くことに成功した。そして沸騰したお湯にダシを入れる。・・・待てよ、ダシって一体どのくらい入れりゃいいんだ? そして彼はダシのパッケ−ジの説明書きを読み、とりあえず1/2袋くらいでいってみようということにしてダシの投入を完了、ジャガイモを鍋にブチ込むところまで辿り着いた。ここまでくれば後は簡単。ジャガイモが煮えたら味噌入れて、菜っ葉を仕上げに放り込んでやれば無事完成さ。御飯の方もどうやら無事に炊けてきたようだ。炊飯器からは蒸気と一緒に実に美味しそうな匂いがしてきている。あとはさすがに味噌汁だけだと食卓が寂しいので目玉焼きでも作ってやろうかと彼は冷蔵庫のトビラを開けた。卵もついこの間買ってきたばかりだから鮮度はかなりいけてるはずだ。そう思って卵を手にした時、彼はあるものの存在に気がついた。

 ・・・ナスがある。そう。そういえばナスもあったんだった。しまった!味噌汁に一緒に入れておけばよかった。しかし既に時遅く、味噌汁はもう味噌も溶かして完全にできあがっている。今から入れてもナスは生煮えのままになってしまい、あまり美味しくはないであろうことは目に見えている。どうする!? が、そのとき神の啓示が彼の脳に下った。(目玉焼きと)一緒に焼いちゃえばいいじゃん! そして今日のメニューの中に急遽焼きナスが加わった。切ってフライパンでただ焼くだけである。後は醤油でもかけて食べてやればいい。恐れることは何もない。ナスも最近話題のポリフェノ−ルの一種(確かナスニンとかいうそのままのネーミングのやつ)をたくさん含んでて体にとてもよいとどこかで聞いたし、食べておくのも悪くはなかろう。一昔前は栄養価が疑問視されていたらしいナスは、ポリフェノ−ルの発見で再び健康食品の先陣を切る時の野菜となっていたのだ。実に浮き沈みの激しい野菜ライフである。

 そんなこんだで自炊は終わり、冷蔵庫からさらに発見されたキャベツの漬け物(もちろん最近買ったもので賞味期限的にも問題はない)を加えて、今日の食卓に俺の下宿生活の中でもっともまともな部類に入るメニューが並ぶこととなった。味もなかなかのものでありそれなりに充実感はあったのだが、冷静に考えると味噌汁は学食で20円、焼きナスも価格を付ければおそらく80円程度で食えるだろう。そう思うとやはりできればそっちで楽して食べたいものだと思う今日この頃であった。

今日のメニュー
・御飯
・ジャガイモと京野菜の味噌汁
・焼きナス
・目玉焼き
・キャベツの漬け物
・コーヒー(食後にもちろんインスタント)

 ちなみに1月分の日記を過去の分に回したついでに、過去の日記の方にもCSSを組み込んでおきました。

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